期待損失(EL)
キタイソンシツ(イーエル)(信用リスク)
意味 平均的に予想される損失
期待損失(EL)とは?
期待損失(EL: Expected Loss)は、信用リスクにおいて予想される平均的な損失額を指します。これはデフォルト確率(PD)、デフォルト時損失率(LGD)、エクスポージャー(EAD)の積で計算されます。金融機関はこの値を基に貸倒引当金を設定します。
期待損失(EL)の具体的な使い方
「この融資ポートフォリオの期待損失が上昇傾向にあるので、引当金の増額を検討する必要がありそうだ。」
融資ポートフォリオの信用リスクの変化を指摘しています。期待損失の増加が貸倒引当金の見直しにつながる可能性を示唆しています。
期待損失(EL)に関するよくある質問
Q.期待損失と最大損失の違いは?
A.期待損失(EL)は平均的に予想される損失額を指し、通常の事業運営で想定される損失です。一方、最大損失はストレス状況下で発生しうる最悪のシナリオにおける損失を指します。ELは引当金の設定に使われ、最大損失は必要資本の計算に用いられることが多いです。
Q.ELが増加したらどうすべきですか?
A.ELの増加に対しては、以下の対応を検討すべきです:
1. 貸倒引当金の増額
2. リスクの高い融資の見直しや縮小
3. 信用リスク管理プロセスの強化
4. 担保や保証の追加取得
5. プライシングの見直し(リスクに見合った金利設定)
ただし、ELの増加原因を詳細に分析し、適切な対応を選択することが重要です。
Q.ELはゼロにできますか?
A.実務上、ELをゼロにすることは非常に困難です。信用リスクを完全に排除することは、事業として融資を行う以上ほぼ不可能だからです。むしろ、ELを適切に把握し、それに見合った引当金を設定することが重要です。また、ELと実際の損失を比較することで、リスク管理の精度を向上させることができます。
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