CVA(信用評価調整)
シーブイエー(シンヨウヒョウカチョウセイ)(信用リスク)
意味 取引相手の信用リスク調整
CVA(信用評価調整)とは?
CVA(Credit Valuation Adjustment)は、デリバティブ取引において、取引相手の信用リスクを反映させるための価格調整のことです。取引相手がデフォルトした場合に被る可能性のある損失の期待値を現在価値に割り引いて算出します。
CVA(信用評価調整)の具体的な使い方
「この新規取引先とのスワップ契約には、CVAを50ベーシスポイント上乗せする必要があるよ。」
デリバティブ取引の価格設定において、取引相手の信用リスクを考慮している場面です。CVAの適用により、リスクに見合った適正な取引価格を設定しようとしています。
CVA(信用評価調整)に関するよくある質問
Q.CVAの計算に必要な要素は?
A.CVAの計算に必要な主な要素は:
1. 取引相手のデフォルト確率
2. エクスポージャー(将来の正の市場価値の期待値)
3. 回収率(デフォルト時に回収できる割合)
4. 割引率(将来の損失を現在価値に割り引くため)
5. 取引期間
これらの要素を組み合わせて、取引相手の信用リスクに応じた価格調整額を算出します。
Q.CVAがなぜ重要になったのか?
A.CVAが重要になった主な理由:
1. 2008年の金融危機後、取引相手の信用リスクの重要性が認識された
2. 会計基準の変更により、デリバティブの公正価値評価にCVAの反映が求められた
3. バーゼルIIIなどの規制強化により、CVAリスクに対する資本賦課が導入された
4. リスク管理の高度化に伴い、より精緻な価格付けが求められるようになった
5. 取引相手の信用力を考慮した適切な収益管理の必要性が高まった
Q.CVAの課題や問題点は?
A.CVAの主な課題や問題点:
1. 計算の複雑さ:特に大量のデリバティブ取引を扱う場合に計算負荷が高い
2. モデルリスク:CVA計算に用いるモデルの選択や仮定によって結果が大きく変わる可能性
3. データの質と可用性:信頼性の高いデフォルト確率や回収率データの入手が困難
4. 市場の流動性:ストレス時にCVAヘッジが困難になる可能性
5. 規制の複雑さ:各国・地域で異なるCVA関連規制への対応が必要
6. 取引相手との価格交渉:CVAの適用が取引のコストを上昇させ、交渉を複雑化させる
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